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≪災害時の口腔ケア・歯科治療 平易な「Q&A」その4≫

 Q17.口内炎の予防や治療は?
  栄養の偏り、睡眠不足などで身体の抵抗力(いわゆる体力)が低下すると、アフタ
  という口内炎ができやすくなります。また口の中が乾燥すると、口内炎のような傷
  (潰瘍)ができやすくなります。
  ケナログなどのステロイド軟膏で一時的に痛みが和らぎますが、必ずしも治癒が早
  まるわけではありません。ウイルスやカビが原因の口内炎では、ステロイド軟膏で
  悪化することがありますので、素人判断は禁物です。

 Q18.歯科との協力が必要な状況とは?
  歯の痛み、入れ歯の不調などの訴えがなくても、潜在的な問題点を抱える被災者が
  多くいます。唾を飲み込んだ時の痛み(嚥下痛)や口が開きにくい(開口障害)は
  緊急性の高い炎症症状です。
  むし歯や歯周病を放置しておくと痛みや口臭の原因になるだけでなく、菌による炎
  症が拡大すると敗血症など、命に関わることもあります。痛くなくても重症なこと
  もありますので、注意してください。

 Q19.ジュースやお菓子ばかりたべていますが、むし歯には大丈夫でしょうか。
  水分やカロリーの補給にジュースやお菓子は貴重ですが、長期的な視点ではむし歯
  にならないように気をつける必要があります。ご存じの通り、歯みがきをしっかり
  することがむし歯予防の基本ですが、飲食の順序の工夫など、ちょっとしたことの
  積み重ねでむし歯になる危険性を少なくすることができます。
  砂糖が多く含まれ、しかも歯にくっつきやすい食品、たとえばキャラメルは最も危
  険なものです。歯にくっつきやすい食品を食べたら、その後にリンゴなどを食べる
  ことで、粘着性のものを落とすことができます。
  歯にはくっつかなくても、意外に糖が多く含まれており、なおかつ酸性の製品が多
  いので、この点ではスポーツドリンクも要注意です。スポーツドリンクを飲んだ後、
  水やお茶をひと口含む、このような小さな心がけが大切です。

 Q20.歯ブラシの交換の目安は?
  歯ブラシは毛が広がったら、汚れを除去できる効率が大幅に低下しますので、交換
  の目安としてください。歯ブラシを廃棄する前に、洗面台の隅の部分など、清掃し
  にくい所の清掃用具として廃物利用されてはいかがでしょう。

 Q21.脱水時に有効な経口補水塩(液)の作り方は?
  発熱、下痢、嘔吐などの脱水症状に対し、経口補水塩(液)は、水よりも吸収が良
  好です。水1L に砂糖40g(大さじ 4.5)、食塩3g(小さじ半分)が基本で、
  1割程度グレープフルーツジュースを追加、吸収をさらに向上させるために少量の
  重曹を添加などのレシピもあります。

 Q22.経管栄養のチューブの詰まりを防ぐ工夫は?
  栄養剤を注入後、充分量の水でフラッシュすることが前提です。その後に食酢を
  10 倍に薄め、チューブに満たしておくと、チューブ内の菌の繁殖や詰まりを少なく
  できます。

                             口腔ケア学会HPより抜粋
 
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