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≪災害時の口腔ケア・歯科治療 平易な「Q&A」≫

 【はじめに】
 本 Q&A は避難所などで、口腔ケア用品・水・電気などに不足がある状況を想定した内容も
 含んでいます。したがって、種々の代用品などを紹介しておりますが、これはあくまでも
 緊急措置として使用するものであり、長期での連用は危険を伴う場合もあります。物資の
 供給が安定した時点で、適切な方法へ変更するようにお願いします。

 Q1. 災害時にも「口腔ケア」(お口のケア)は必要?
  被災後の不規則な生活(睡眠不足など)や栄養状態の悪化、口腔衛生状態の低下、義歯
  の紛失などが重なり、肺炎やインフルエンザ・カゼなどの呼吸器感染症を起こしやすく
  なることが知られています。

 Q2. 特に口腔ケアが必要な対象者は?
  自分自身で口腔ケアが難しい方には介助が必要です。また、自分で口腔ケアが可能でも、
  高齢者で嚥下(飲み込み)に障害を有する方には、適切な口腔ケアが必要です。

 Q3. どのような口腔ケアが必要?
  口腔を清潔にするための歯みがきとうがい、それを保つための保湿が大切です。そして
  広い意味では、口から栄養や水分を適切に摂取することも心がけてください。

 Q4. うがいする水が不足している場合は?
  チューブ入りの歯みがき剤で研磨剤を含むものは吸湿作用が強く、口の中に残ると乾燥
  を助長するため、うがいをしにくい状況では使わないようにします。歯ブラシを少量の
  水で濡らすだけ磨きますが、液体ハミガキ(デンタルリンス)や洗口液が入手可能なら
  水だけよりも歯垢の除去に効果的です。

 Q5. 歯ブラシを入手できない場合は?
  歯ブラシを入手できなければ、タオルやティッシュペーパーなどで歯の表面を擦って、
  できる限り歯垢を除去するようにしてください。液体ハミガキ(デンタルリンス)や
  洗口液を併用すると歯垢を除去しやすくなります。洗口(クチュクチュあるはブクブク)
  だけでは、歯垢を除去できません。

 Q6.うがい薬の代用品は?
  消毒効果を有するうがい薬としてイソジンガーグルが有名ですが、歯みがき時に使う
  液体ハミガキや洗口液などにも消毒成分を含む製品があります。アルコールを含む製
  品が多いので、刺激を感じるようでしたら、薄めて使用してください。
  医療現場にあるものの中で、ポビドンヨード(イソジンなど)、オキシドール、アク
  リノール、塩化ベンザルコニウム(オスバンなど)は口腔粘膜にも使用可能です。
  いずれも使用濃度を確認してください(オキシドールは最終濃度 0.3〜1.5%、塩化ベ
  ンザルコニウムは最終濃度 0.025%以下など)。
  なお、手指消毒用の製品には消毒効果がありますが、アルコールや洗浄成分を含むため、
  口腔への使用はできないものが多いでしょう。

                               口腔ケア学会HPより抜粋
 
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