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≪今更ですが、芸能人だけでない…一般人だって「歯がイノチ」≫

身体の中で一番硬いのが歯です。最も重要な役割はモノを噛むことです。
かけがえのない歯を大切にするために、歯のことを知っていただきたいのです。

歯は、歯周組織に植立し、支えられています、硬組織、軟組織が重層して複雑な構造をしています。
歯の構造は、イラストにあるように多重構造になっています。
エナメル質は、歯肉より上の部分(「歯冠」という)をすっぽり覆う形で存在しています。
水分や有機質をほとんど含まず、無機質ばかりでできています。だから非常に硬いのです。
このため、様々な食物を簡単に噛み砕くことができ、熱にも強い。化学物質にもほとんど反応
しません、しかし、細菌が作り出す酸だけは別です。歯が溶けて虫歯になってしまうのもその
せいで、この酸にだけは気をつけておかねばなりません。また、エナメル質には感覚受容器が
ありません。だから、傷ついても痛みを感じることが無いのです。軽い虫歯に気づかないのは
、そのせいです。硬いからこそ、その分もろく欠けやすいという短所もありますが、ともかく
歯の内部を守ってくれる頼もしい組織なのです。
エナメル質のすぐ内側に控えているのが、象牙質です。歯冠だけでなく、歯肉より下(「歯根」
という)部分まで。さらに内側にある歯髄組織を、包み込むように存在しています。
いわば歯の本体部分です。一方、歯髄は轟のように軟らかな軟組織です。神経や血管、リンパ
管が通っていて、顎からの栄養を象牙質に送り込んでいます。また、エナメル質や象牙質を破
壊して侵入してくる細菌たちを、必死で食い止めようと戦うのもここです。このときの痛さと
いったら・・・虫歯で歯がズキズキと痛んだ記憶があるでしょう。つまり、この痛みは、歯髄
が炎症を起こしていたからに他ならないのです。「歯の神経」といわれる所以です。歯肉より
下を覆っているのがセメント質です。セメント質は、歯根膜との連携プレーで、歯と歯槽骨と
をしっかりと結びつける役割を担っています。歯は顎にしっかりと支えられていて、歯と顎の
つなぎめには絶妙な感覚があります。「つなぎめの感覚」といっても、ピンと来ないでしょう。
上の歯と下の歯をそっと喫み合わせて下さい。歯と歯が触れたと感じたら、さらに曖みしめま
す。そこにほんの少しだけ、遊びの幅があるのがわかりますか。この微妙な弾力の幅で、何と
ヒトは30μの厚みを感じ取ることができるのです。これが、「つなぎめの感覚」で歯根膜の
持つ驚くべき能力です。歯は何十kgもの力で物を噛んでも、エナメル質や歯槽を損なったりし
ません。0.2mmにも満たないごく薄い膜が、超高感度のセンサーとなり、同時に超高性能サ
スペンションの役割も果たす、精密機械のような歯根膜を私たちは口の中に備えているのです。
歯に何のトラブルもない成人ですと、28から32本ある永久歯。これらを、歯根膜を間には
さみながら、がっちりと支えているのが歯槽、いわゆる顎の骨です。槽とは、「おけの形をし
たもの、容器」という意味。歯が組み込まれている凹部分の形から、その名でよばれています。
残念ながら、歯槽は年齢とともに少しずつ減ります。といっても、健康な状態ならば、20歳
から1年に0.06mmしか減りません。単純計算してみると、250年ぐらいはもつはずです。
ところが、実際の歯の寿命を見てみますと、最も長い上の犬歯の男性平均で64.6歳。最も
短い下奥歯の女性平均では、44.6歳しかありません。メンテナンスが行き届いていないた
めに、早く歯の寿命がやって来てしまっているのです。歯そのものが侵される虫歯や、歯周組
織が侵されてしまう歯周病が悪化して、歯はもっと長くていいはずの生涯を短く終えてしまい
ます。
歯は一本でも抜けてしまうと噛む効率がぐっと落ちます。臼歯に至っては、半分以下まで落ち
、義歯などで修復をしても、完全な歯の咀嚼力にははるか及びません。
「歯を長持ちさせる究極のコツは、まず自分自身が努力して管理すること。正しい歯磨きや、
よく噛む習慣をつけて、定期的に検診とメンテナンス指導を受けることです」
カラダの寿命に歯の寿命が追いっかない状態では、快適な生活なぞ望めるはずがありません。
寿命の長い歯、丈夫の顎を手に入れるためには、かかりつけの歯科医院できちんとしたチュー
ンナップをしてもらうのが不可欠です。
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