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≪唾液とは≫

唾液腺について
 唾液は唾液腺でつくられます。
 唾液腺には顎下腺、耳下腺、舌下腺の三大唾液腺と小唾液腺があります。
 顎下腺、舌下腺、小唾液腺は粘液性(ねばねば)、
 耳下腺唾液は漿液性(さらさら)です。
 安静時の唾液量は
  顎下腺唾液     65%
  耳下腺唾液     20%
  舌下腺唾液      8%
  小唾液腺       7%
 顎下腺は顎の下(下顎骨骨体部と口腔底をなす顎舌骨筋との間)に存在し、舌下部前方の
 舌小帯の脇にある舌下小丘で開口します。
 耳下腺は下顎枝の後方部から耳の前方部の範囲に存在し、上顎第二大臼歯に対向する頬粘
 膜の乳頭部で開口します。
 舌下腺は、舌下ヒダという粘膜の下に存在し、舌下ヒダの上方部で開口します。
 小唾液腺は、舌、口蓋、頬粘膜、口腔粘膜に存在します。
安静時唾液と刺激唾液
 唾液には安静時唾液と刺激唾液があり、
  安静時唾液とは、外的な刺激のないときに持続的に分泌される唾液のことをいいます。
  刺激唾液とは、想像、視覚、嗅覚、味覚、咀嚼などの刺激に反応して分泌される唾液の
  ことをいいます。
唾液の役割
 @咀嚼時の食物との潤滑作用
   食塊の形成(飲み込む時の形造り)をします。
   摂食・嚥下には重要です。
 A消化吸収の促進
   唾液に含まれる酵素(アミラーゼ)はデンプンを分解します。
 Bウイルスや細菌からの感染予防
   一般に細菌は口腔内で増殖し、生存することができます。
   唾液には抗菌作用があり、かつ良性の細菌叢も維持することによって口腔内細菌叢
   を調節し、防御機能を営みます。
 C外的刺激に対する防御
 D清掃、自浄作用
   細菌、ショ糖や他の炭水化物基質、プラークの代謝産物である酸を浄化します。
   口腔ケアには重要です。
 E義歯の安定
   唾液がないと義歯がはずれ易くなります。
 F床下粘膜の保護
唾液の分泌量
  唾液の分泌量は年齢、性別、生活環境、ADL等によって差があります。
 成人の一日の唾液分泌量は、約1.5リットルですが、高齢者の唾液分泌量は20代の
 成人に比べて約7分の1に減少するといわれています。
  高齢者は、唾液腺の萎縮等により分泌量が減少しますが、それは1割〜2割の減少で
 しかありません。
  高齢者は、若年者に比べ多くの薬物を服用しています。
  加齢よりむしろ薬物の服用が、唾液分泌量を減少させていると考えられます。
唾液分泌量を阻害する薬剤
  @消炎鎮痛剤
  A抗うつ剤
  B降圧剤、利尿剤
  C抗けいれん剤
  D精神安定剤
 などがあり、高齢者の多くが服用しています。
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