≪糖尿病と歯科治療≫

 今や国民病のひとつともいわれている糖尿病。 2011年の日本の糖尿病推定人口は約1070万人で、
 世界第6位。さらに増加の傾向が強まっています。
 高血糖状態が長く続くと血管や神経が次第に傷み、重い合併症を引き起こします。
 歯周病もその一つで、糖尿病の患者さんは重度の歯周病になるリスクが3倍も高いといわれています。
 一方、最近では歯周病がインスリンの働きを妨げ、糖尿病を悪化させることもわかっています。
 このように、糖尿病と歯周病は互いを悪化させる関係になっています。

歯科治療への影響は?
 @傷が治りにくく、通常に比べ炎症を起こしやすい。→外科的処置の際には抗生剤の事前投与が必要
  となる場合があります。
 A合併症の種類により治療上の問題がある。→大きな病院を紹介することもあります。
 B歯科治療中の低血糖発作。→治療前の食事は抜かないでください。
 C歯科治療の途中などで食事に支障が出ることによる糖尿病の食事療法への障害 など

安全・安心に歯科治療を受けるため、今の体調や現在受けている糖尿病治療について、必ず教えてください!
 @血糖値   :  空腹時の血糖値がどのくらいであるか?
 AHbA1c :  ヘモグロビンにブドウ糖がくっついた状態のもので、この割合を調べると血液中の
          血糖のコントロール状態がわかります。
 B治療法   :  食事療法のみか、飲み薬があるか?インスリンを注射しているか?
          薬の名前や回数、量なども必要です。
 C合併症   :  現在どのような合併症があるか?
 D通院している病院と主治医 :  合併症があったり、糖尿病のコントロールが良くない場合は、
                 かかりつけの内科の先生との連携が必要となることがあります。

 しかし、糖尿病の方の歯科治療は合併症が無く、きちんとコントロールされている場合はほとんど
 特別な対応は必要ありません。安心して治療を受けてください。

歯科で定期健診を受けましょう!
 糖尿病がある方は特にむし歯や歯周病にかかりやすく、進行も早くなります。
 だから、しっかりとプラークコントロールすることが重要で、一番の予防法です。
 定期的に歯科健診を受けてリスクを上手に管理し、ご自分の歯を守っていきましょう!