≪歯科用レントゲン撮影≫

1.放射線量は大丈夫なの?
東日本大震災で原発事故が起こり、放射線量に対して国民の関心が高まって
きたように思います。放射線と聞いただけでかなり過敏になっておられる方も
多いですが、歯科用レントゲン撮影の放射線量はかなり低いので人体に及ぼす
影響はほとんどありません。
 1回のデンタルX線撮影(口の中で撮る小さなレントゲン写真)で受ける放
射線量は1枚あたり約4μSv、パノラマX線撮影(顎全体のレントゲン写真)で
20μSvです。私たちが日常生活のなかで、周り環境から受けている「自然放射線」
は年間1人あたり約2400μSv(世界平均)です。すなわち歯科用のX線撮影の放射
線量は自然放射線に比べてはるかに小さいことがわかります。
 なお、100μSv以下のX線量では胎児の被爆は起こらないとされていますが、念の
ため妊娠中の方や、その可能性がある方はレントゲン撮影時に鉛のエプロンをかけ
るほうがよいでしょう。

2.レントゲン撮影でわかることは?
口にかかわる病気は直接、目で見えないところで発生、進行しているものが
多くあります。また、口の中の状況も刻一刻変化していきます。病状の進行度
だけでなく歯周病(歯槽膿漏)や根尖病変(歯の根の先にできた病気)の改善
状態も確認ができます。以下レントゲン撮影で確認できることの一部を列挙し
ます。
 @つめもの・かぶせの下の虫歯の進行度
 A歯を支えている骨の溶け具合
 B歯の根の先の炎症状態の有無と重症度
 C歯ぐきの下にかくれている歯石があるか、その付着状態
 D親知らずがあるか、それが他の歯に影響をあたえていないか
 E顎の関節の形態に問題がないか
 F歯の神経が残っているか など

このようにレントゲン撮影から得られる情報は非常にたくさんあり、放射線量もわずかですので安心して治療を受けていただけます。